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Courtois Japon Interview
「Courtois Japon(以下:「クルトワ・ジャポン」)」は、安久津理子氏、今村岳志氏、石村源海氏、久保田和弥氏、武内紗和子氏、山下純平氏の若手トロンボーン奏者6人で結成したアンサンブル。11月5日には都内で初のコンサートを開催予定です。メンバーの安久津氏、今村氏、石村氏、武内氏、山下氏(以下:敬称略)に集まっていただき、コンサートの聴きどころやを愛用する理由を語っていただきました。(取材:丹野由夏)
〈アントワンヌ・クルトワ〉だけで結成されたアンサンブル
「クルトワ・ジャポン」のデビューコンサートが目前ですね。
今村 最初から最後まで楽しめるプログラムなので、ぜひ聴きに来て楽しんでください。「王宮の花火の音楽」で華やかにスタートして、シュペールの「トロンボーン三重奏の為のソナタ」、そしてドビュッシー「亜麻色の髪の乙女」、M・ルグランの映画音楽「ロシュフォールの恋人たち」など有名な曲も演奏します。プログラムの半分以上を僕が編曲します。
写真左から、武内紗和子氏、今村岳志氏
〈アントワンヌ・クルトワ〉トロンボーンが6本集結するとあって、どんなハーモニーになるかとても楽しみです。
今村 三重奏からカルテット、六重奏、七重奏といろいろな編成の曲を演奏します。ゲストには、やはり〈アントワンヌ・クルトワ〉 “CREATION AC422 Paris”を愛用されている荻野昇さんをお迎えします。
武内 トロンボーン好きはもちろん、プログラムの中のこの曲を聴きたい! という音楽好きの方もぜひ、生演奏の空気感を楽しみに足を運んでもらえれば。
安久津 練習では〈アントワンヌ・クルトワ〉同士だと言葉にしなくても音が集まりやすいのを実感しています。それをぜひ会場で、五感を使って味わってください。
山下 同じ楽器を使っていても、ひとりひとりの個性は全然違う。それぞれのキャラクターをじっくり聴いてほしいですね。
石村 「ロシュフォールの恋人たち」は、藝大生の時、今村さんに編曲してもらったんです。でもコロナで演奏会が中止になり演奏できなかった。今回は2年越しのリベンジです。ぜひ聴きにきてください!
写真左から、石村源海氏、山下純平氏
ところで「クルトワ・ジャポン」の結成は、武内さんがきっかけとうかがいました。
武内 昨年から〈アントワンヌ・クルトワ〉 “LEGEND AC420”を使い始めて、響きや音程感に早く慣れたかった。〈アントワンヌ・クルトワ〉を使っている今村くんに一緒に吹いてほしいと頼んだら、仲間を5人集めてくれたんです。
山下 今村さんから、アンサンブルやらない? と誘われました。最初は練習会や遊びのような感じだと……。
今村 当初アンサンブル結成は考えてなかった。でも集まってみたら、せっかくだからコンサートやろうか! という雰囲気になりました。
安久津 実は藝大在学中に、〈アントワンヌ・クルトワ〉を使っている石村くん、久保田くんたちとアンサンブルを組んでいたんです。
石村 室内楽の授業で、〈アントワンヌ・クルトワ〉でカルテットを組み、期末の実技試験も受けていました。それがグループのひとつのルーツですね。
これが一番! という楽器との出会い
まさに楽器がみなさんを結びつけたのですね。〈アントワンヌ・クルトワ〉を愛用している理由を教えてください。
安久津 私の恩師から、音をひとつバーンと出しただけで物を言えるようになりなさい、と。〈アントワンヌ・クルトワ〉はそれができます。今の楽器は高校1年生の時に楽器店で「一吹き惚れ」したモデル。家族と先生に聴いてもらい、満場一致で決めました。
写真左から、山下純平氏、安久津理子氏
武内 〈アントワンヌ・クルトワ〉は私のように小柄でも、自分に合ったベストなモデルが選べる。現在使っているのは、昨年選んだハグマンバルブの楽器で、吹奏感や抵抗感がすごく自分にマッチしています。
石村 先生からのおすすめで、小学6年生からずっと今の楽器を使っています。〈アントワンヌ・クルトワ〉は小さめな音も色彩感がとても豊か。でもオーケストラの中でここぞ! という時も、キャパオーバーせずしっかり対応できる。幅の広さが魅力です。
今村 自分がやりたいことが容易にできる楽器が欲しかったんです。仙台のトロンボーンフェスティバルに展示されていた〈アントワンヌ・クルトワ〉の楽器を試奏した時、ビビッときた。実はその1年前に新しい楽器を買ったばかり。それでもその〈アントワンヌ・クルトワ〉が欲しくて購入しました。現在の楽器は、そのモデルの2台目です。
山下 自分の奏法では、コンパクトな楽器の方が、自由に音が出せると思いました。またトロンボーンは集まって吹くことが多いので、他の人と吹いた時に心地いいかも大切です。今使っているのは、ドイツへの留学中、一時帰国した時に楽器店で何本も試奏し、結局最初の楽器が一番良くて、即決で購入したものです。
写真左から、石村源海氏、山下純平氏、安久津理子氏
モデル選択肢の幅広さが魅力
みなさん “LEGEND AC420” モデルでありながら、ベルの素材やスライド、管の巻き方の形状が違っていますね。
安久津 私の楽器は“AC420BOR”。ベルがゴールドブラスで、スライドはミディアムウェイトです。
武内 “AC420MBH”、ベルがイエローブラス、スライドはライトウェイトで、ハグマンバルブのモデルです。以前はスライドだけライトウェイトにしていましたが、“LEGEND AC420”は最初からライトウェイトモデルがあるのが魅力でした。この楽器にしてから曲の最後まで音色感を変えずに吹けるようになり、持久力も上がりました。
石村 僕の楽器は“AC420MBO”。ベルがイエローブラスでスライドはライトウェイトです。これからはミディアムも試してみたいな。
今村 そうやってモデルをいろいろ選べるのも “LEGEND AC420” の魅力ですね。
写真左から、武内紗和子氏、今村岳志氏
山下 僕のモデルは“AC420B”、ベルはイエローブラスでスライドはミドルウェイトです。管の巻き方はトラディショナルラップ。このタイプはF管レバーを押した時に抵抗が強いことが多いのですが、試奏してみたらとても吹きやすかったんです。
今村 “AC420BHR”です。ベルはゴールドブラスで、ミディアムウェイト、ハグマンバルブのモデル。以前は“AC420MBOST”のミシェル・ベッケモデルでしたが、もう少し軽く、レスポンス良く演奏できたらなと思って今の楽器にしました。
〈アントワンヌ・クルトワ〉を多くの人に知ってほしい
「クルトワ・ジャポン」の今後の予定を教えてください。
今村 定期的にコンサートをやりたいですね。ゲストと共演することでサウンドを磨いていきたい。
山下 海外の方も、たとえばモデル名になっているミッシェル・ベッケさんをお迎えして共演ができたら。
安久津 〈アントワンヌ・クルトワ〉の良さをもっと知ってもらえるよう、ゲストの方も巻き込んで普及活動(笑い)をしていきたいと思います。
武内 愛好家でを使っているみなさんにも実際の演奏を聴いていただき、楽器を通じたコミュニケーションをしていきたいですね。
石村 同じ〈アントワンヌ・クルトワ〉でもいろいろな音が出せて、いろいろな魅力がある。ぜひコンサートで、多彩な音色の魅力を感じてください。
ありがとうございました。
写真左から、石村源海氏、山下純平氏、安久津理子氏、武内紗和子氏、今村岳志氏
※ クルトワ・ジャポンのメンバーが使用している楽器の紹介ページは以下をご覧ください。
〈アントワンヌ・クルトワ〉テナーバストロンボーン “ LEGEND AC420”